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2017冬の弘前訪問記4 〜伝統のこぎん刺しを叶えるつきや〜

2018.02.17


手芸品店「つきや」はこぎん刺しの材料や道具が揃うお店として有名です。全国の教室の先生や作家さんから注文が入ります。つきやさんは私が子供の頃は、洋品店「花邑」の中にある手芸コーナーでした。そこは、こぎん刺しの資材や書籍、加工サービスなどこぎん刺しに関するものを幅広く取り揃えていたお店でした。つきやさんは花邑のあった場所で当時の品揃えを引き継いで販売されています。

 

 

私が弘前で生活した頃はまだ花邑が営業していた頃だったので、つきやさんは個人的には馴染みがない手芸店でした。1年前に初めてつきやさんに買い物に行った時、手に取るこぎん刺し資材のどれもが私にとって昔から馴染みあるパッケージデザインであるのを見た瞬間、知らないお店に入った緊張感が一気に和らいだ覚えがあります。

 

 

このオリジナルのこぎん針のパッケージは母の裁縫箱にも残っていました。

 

 

こちらで発行しているこの2冊の本は、花邑の時代から40年以上販売されています。こぎん刺し本のベストセラーと言っても過言ではないでしょう。私は母から譲り受けた初版の日本語版を今も持っています。初版は色が少し違いますが、これも個人的には何百回とページを繰っているとても馴染み深い本です。

 

 

写真右の英語版は最近復刊しました。日本語と英語で読み比べてみるのも面白そうです。

 

 

つきやさんに全国から注文が来るのは、伝統的なこぎん刺しを実現できる材料が揃う唯一のお店だからです。糸や針、こぎん刺し用の布も昔ながらの縦長の模様を実現できる布目の生地を多数揃えています。

 

つきやオリジナルの布サンプルの比較。モドコの菱形が布の種類で微かに縦横比が異なります

 

そもそも、古いこぎん刺しの模様が縦長になるのは、当時の手機織の特性によるものでした。正確な正方の布目を実現する機械織りが主流になった現在では布目を敢えて縦長にして布を作るというのは非常に稀なことで、生産ができる織工場は国内でも希少だと聞いたことがあります。そんな稀な布が何種類も取り揃えられています。また、布だけではなく、縦長のモドコ図案を描ける方眼紙もつきやオリジナルで販売しています。

 

 

つきやオリジナルのこぎん刺しキットの布には上の写真のような糸印を入れています。ちゃんと刺したモドコが縦長になるように、糸の刺す方向を示すための印です。

 

ちなみにこの印の付いた制作キットはネクタイです。

 

ネクタイは意外に大きな布を使うのですね初めて見ました

 

ネクタイは布をバイアス(織目に対し斜めにカット)にして作るため、この印がないと刺す方向がわからなくなってしまいそうです。

 

ネクタイキットの仕上がり見本。仕上がりはこのように斜めに模様が入ります。

 

他にも様々、こぎん刺しに関する豊富な商品の品揃えが、花邑時代から40年以上続いているオリジナルであることには驚きました。大きな流れにのみこまれてニッチな需要がどんどん淘汰されてしまう昨今なので、品揃えが豊富とは言え、製品仕立て加工などは職人がいなくなりどんどんアイテムが減っているのだそうです。先に紹介した書籍の英語版の復刊は幸いなことで、廃番になった商品を復活させるには失った技術や職人を1から探すなど相当のエネルギーを要します。こぎん刺しも長い年月の中で需要の波があり、新製品が出ることもあれば、商品が廃番になってしまうことも仕方のないことですが、つきやさんは、その流れの中でもブレることなく当初からのオリジナリティをキープし続けているすごさに敬服しました。

 

布見本帳は店内で販売しています。この表紙デザインも昔から変わらない渋さです

 

豊富なオリジナル商品の影にあるつきやさんの逞しさを窺い知ることができました。普通に買い物に来ているだけでは気づけなかったことです。突然の訪問にも関わらず、いろんなことを教えてくださった社長の竹内さんに感謝いたします。

 

ホビーショップ「つきや」について

レディースショップ花邑の手芸部門が花邑解散時に「つきや」として独立、2000年に開業しました。毛糸・和洋裁・ボタン・手芸・レザークラフト・こぎん材料企画販売
現在も販売しているオリジナルのこぎん材料は、昭和48年頃から販売しています。

所在地:青森県弘前市土手町122-8
電話番号:0172-32-2727
営業時間:午前10時~午後6時
定休日:毎週木曜日
URL:http://kogin.boo.jp/

つきやのFacebookページはこちら
https://www.facebook.com/tsukiya.kogin/

 

インタビュー:koginbank編集部 text:石井/ photo:浅井

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