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こぎん刺しの楽しい!かわいい!を発信 こぎんマガジン

Vol.3 koginbankのバイブル

2017.07.18


koginbankは2017年の年明け早々にスタートを切りました。とは言え、こぎん刺しを趣味で刺すだけで正直なところこぎん刺しの起源だとか、こぎん刺しの作家さんの活動など巷のこぎん刺しの事情には興味が無かった私はこぎん刺しの本も自ら買ったことがありませんでした。ところが、koginbankのスタートをきっかけにこぎん刺しの歴史のこと、こぎん刺しの教室のこと、南部菱刺しの存在など、目を向けてみるとすごく興味深いことが沢山出て来ました。その中でも一番の出会いがこの書籍『津軽こぎん』(横島直道 編著・日本放送出版協会)です。

この書籍は弘前こぎん研究所の初代所長だった横島直道氏の長年にわたるこぎん刺しの研究をまとめた1冊です。横島氏は昭和7年に民芸運動機関誌『工芸』で全国に知られるようになったこぎん刺しを今現在も多くの方に愛好される伝統工芸品として盤石な基礎を築いた人と言っても過言ではありません。氏は残念なことに病気療養の末、本の出版を待たずに逝去されました。そのために、この本は氏のご家族やこぎん刺しに造詣のある協力者によって最終的な仕上げがなされ、出版に至ります。昭和49年のことでした。

横島氏は東京高等工業学校(現・東京工業大学)を卒業し染料化学の研究者でしたが、ご自身の病気を機に弘前への帰郷を余儀なくされ、木村産業研究所(現・弘前こぎん研究所)に開設に参画し、こぎん刺しの研究に着手されました。本書にまとめられている内容は起源の調査、地域による特性、最盛期を知る人たちへの聞き取り、模様の分析など、前回紹介した柳宗悦氏の言葉もこの本に掲載されていますが、こぎん刺しへの多角的なアプローチと考察を重ね、こぎん刺しの本質的要素を見出し、その後の普及へ向けた取り組みについても見据えていて、こぎん刺しのこれまで背景の殆どをこの1冊で知ることができ、とても大きなポテンシャルを感じる1冊です。

特にこぎん刺しの模様に関する内容はモドコやそれを囲い大胆な柄を展開する要素となる囲み・糸流れ模様や地刺し、モドコの配置パターンなどが紹介されていて、少ない基礎要素の組み合わせを多様に駆使して魅了するこぎん刺しが出来上がっていることがよくわかる内容です。昨今はいろんな楽しみ方を提供するハウツー的な実用書ばかりの中でこの本は出版から40年以上経った今でもこぎん刺しの基本的な要素をちゃんと伝えてくれる唯一の本ではないかと思います。

この本はもうすでに絶版になっており、時々古書のの流通で見つけることが出来るか、もしくは最寄りの図書館にもあるかもしれません。こぎん刺しのバックグランドを知りたい方にオススメの一冊です。

 

koginbank編集部・石井(文・写真)

 

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