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こぎん刺しの楽しい!かわいい!を発信 こぎんマガジン

第7回 こぎんフェスに参加してきました!

2018.05.28


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今年のGWはみなさまいかがお過ごしでしたでしょうか。
4/28・29・30の3日間にわたり、こぎん刺し発祥の地である青森県弘前市では「第7回こぎんフェス」が開催されました。私達こぎんバンクのメンバーも、出来立ての「こぎんガムテ」を抱え、イベントに参加しに青森へやってきました。大盛況の「こぎんフェス」の様子をお届けします!

 

 

こぎんフェスについて

こぎんフェスは、津軽こぎん刺しの魅力を一人でも多くの人に知ってもらいたい思いで、2010年からはじまりました。作品展示、グッズ販売、ワークショップなど、さまざまなコンテンツを通じて「こぎん」の過去・現在・未来に親しむことができます。

 

会場は、弘前駅前の複合商業施設「ヒロロ」4階の弘前市民文化交流館ホールにて開催されました。第7回となる今回は、100周年を迎えた桜まつりの大賑わいとともに、来場者も3日間で2700人と過去最大の人数となりました。初日だけでも900人の来場だったそうです。

 

今年の目玉企画は、日本三大刺し子である「津軽こぎん刺し」「南部菱刺し」「庄内刺し子」の合同展示です。このように日本3大刺し子の作品が一挙に見られる展示は、日本全国でも珍しいとのことです。

 

津軽こぎん刺し

 

青森県津軽に伝わる刺し子の技法であるこぎん刺し。 津軽地方では、野良着の事をこぎん(小布、小巾とも)と呼んだためこの名前がつきました。こぎん刺しの原点ともいえる、青い麻布に白い木綿糸で刺した作品が並びます。模様の組み合わせやきめ細やかさは、現代にも色あせない美しさがあります。

 

南部菱刺し

 

青森県八戸市を中心に発展した刺し子である南部菱刺し。こぎん刺しと比較すると、偶数目を拾って刺していく横長の菱形の模様と比較的華やかな組み合わせが多いことが特徴です。

 

庄内刺し子

 

山形の伝統的な刺し子である庄内刺し子。東北の厳しい寒さの中で作業する農民たちの作業着を補強し、寒さから身を守るために生まれました。様々な模様には、豊作や商売繁盛といった人々の願いが込められた装飾となっています。

 

 

今年は、青森にゆかりのあるスポーツチームやブランドグッズにこぎん刺しが取り入れられました。

 

 

こちらは弘前市のサッカーチーム「ブランデュー弘前FC」の新ユニフォームです。春の雪解けで盛り上がりを見せる津軽の春のエネルギーをイメージしたこぎん刺し模様がほどこされています。

 

 

世界的サッカーブランド「アンブロ(umbro)」とスペインサッカーリーグで活躍する柴崎岳選手がコラボした「U by GAKU」のシューズです。選手の出身が青森県野辺地町であることから、こぎん刺しをモチーフとしたコレクションが生まれました。デザイン監修をkogin.netの山端家昌氏がつとめています。

 

 


今年は青森県内外から20組の作家さんが集まりました。伝統の古作模様からオリジナル模様の作品まで、それぞれ個性豊かな出展者さんのブースにお伺いしました。

 

 

田中敏明さん


 

田中さんはこぎん刺しをはじめて45年。藍と白を巧みに組み合わせ、独自の方法で美しいタペストリーを作られています。イベントでは大作のタペストリーとともに、組木細工とコラボレーションした作品も展示。思わず見とれてしまうほどの繊細さです。先日発売されたこぎん刺しの雑誌「そらとぶこぎん第2号」でも、田中さんの制作風景が詳しく紹介されています。

 

 

PetitKOGINさん

 

伝統的な模様を守りつつ、鮮やかで楽しい色合わせのPetitKOGINさんのこぎん刺し。色とりどりのこぎん刺しのこけし達がとてもかわいいです。青森市内を中心にWSなども多数開催されています。

 

 

スタバ de こぎんさん

 

スタバ de こぎんは、弘前市のスターバックスにて月に一回開催されている、こぎん刺しの集まりです。各々製作中の作品を持ち寄ったり、子育ての息抜きや地域の情報交換に来たり。こぎん刺しを通じて、ゆるやかなつながりが生まれている素敵な活動です。

 

 

こぎん刺し小物tamaさん

 

古作模様を現代の暮らしに取り入れやすく可愛くアレンジされています。糸や刺子台などの素材は弘前や東北のものにこだわったものを使っています。東北のクラフトイベントを中心に活動されている作家さんです。

 

 

の星座さん / Modocoさん

 

こぎん刺しで仕立てたねぶたの笛袋は、他ではなかなか見られません。北の星座さんは、普段は千葉を中心に活動されているのですが、出身が青森の五所川原市とのことで、学生時代の先輩でこぎん刺し作家のModocoさんともに出展されていました。

 

 

さしぼぅさん

こぎんバンクスタッフも一つ購入しました。

 

リネンに刺されたとても繊細なこぎん刺しが人気のさしぼぅさん。1.9センチ四方のQRコードをこぎん刺しで作ったことで、昨年注目も浴びてTVにも取り上げられていました。ブースではこぎん刺しのガチャガチャが置いてあり、回すと弘前のりんご模様をあしらった小さなくるみボタンが。

 

 

be.com.kさん


 

こぎん刺し模様をあしらったパステルカラーがかわいいアクセサリーは、さり気なくキラリとして女性らしいデザイン。こぎん刺しをはじめたきっかけは、祖母から代々こぎんを刺す文化が日常にあったからだそう。

 

 

三つ豆さん


 

三つ豆さんは、母・叔母・娘の三人の刺し子ユニットです。優しい色の組み合わせが可愛いく、古作模様からオリジナルの模様のグッズまで、普段使いしたいものばかりです。ぶどうで染めた糸で刺している名刺ケースも素敵な色合い。

 

 

fiveCatsさん


 

自宅の庭で育てたハーブで香料をつくり、オリジナルのこぎん刺しや香り小物を制作されています。こぎん刺しをあしらったポプリサッシェはやわらかい自然な香りです。飼っている5匹の猫をモチーフにしたねこの図案のブローチも。

 

kogin*bear styleさん


 

こぎん刺しがさり気なく入ったテディベアが人気のkogin*bear styleさん。ひとつひとつのテディベアには、テーマに合わせた色と模様が組み合わされてデザインされています。

 

庄司宰子さん


 

たっぷりな容量としっかりした安心感があるこちらの鞄。ハンドル部分は津軽の伝統工芸であるあけび蔓細工で作られています。使うごとに手に馴染み、色合いの変化を楽しむことができます。

 

 

麻吉商会さん


 

弘前のこぎん刺しと林檎をもっと発信していこうと「RINGO×KOGIN普及委員会」を立ち上げた麻吉商会さん。林檎のモチーフや、りんご染の糸を使った作品をつくっています。これからも林檎アイテムのラインナップを増やしていくとのことです!

 

 

NK-worksさん


 

この春の弘前観桜会(桜まつり)の100周年記念にちなんで、桜染めやりんご染めの糸を使ったこぎん刺しの作品が並んでいました。菱刺しの作品も取り扱っています。青森県三沢市に住んでいることもあり、地域の伝統である南部菱刺しにも力を入れていきたいというお話もお伺いしました。

 

 

山内えり子さん


 

山内さんは、からむし織の伝統が残る昭和村の織姫として、ご自身でからむしの栽培から手織りまで行いつくる布地に、こぎんを刺しています。草木染めの天然の風合いが素敵な色合いです。触るとシャリ感がさっぱりと気持ちいい、これからの夏の季節にぴったりな肌触り。そらとぶこぎん第2号の特集にも山内さんの活動が紹介されています。

 

 

そらとぶこぎんさん


 

こぎん刺しの魅力をぎゅっと詰め込んだ読み物「そらとぶこぎん」。さっそく発刊された第二号がこぎんフェスにも登場です。こぎんを刺すための布づくりに注目した第二号です。今回の特集にちなんで、布地になる前のからむしを展示。過去のものと現在のものとの手触りや色の違いがよくわかる貴重な資料です。

 

miasaさん


 

弘前を中心に活躍されているmiasaさん。ワークショップでも人気の御守袋が並びます。亀甲、ひょうたん、そろばんなどのおめでたい模様と、二重の紐を組み合わせた縁起のよいデザインです。おみくじやお守りのケース、贈り物にもぴったり。

 

 

SWALLOWTAIL meets KOGINsさん


 

ユニオンジャックのこぎん刺しといえば、SWALLOWTAIL meets KOGINさん。ロックな世界観をこぎん刺しのひと針ひと針で表現されています。UKロック好きだったことから、現在のような模様のアイデアを思いつかれたとのことです。

 

annKoginさん


 

こぎん刺しをもっと日常使いして楽しんでほしいという想いから、アクセサリーや鞄など日常のおしゃれに取り入れやすいアイテムが並びます。このたくさんの作品をお一人で制作されているとお聞きして、びっくりです!人気のがま口は、こぎん刺しとテキスタイルがハイカラでお洒落な絶妙な組み合わせです。

 

 

 harcoguiさん


 

落ち着いた和な色合いが素敵なharcoguiさんのアクセサリー。これからの季節の浴衣にもピッタリです。オリジナルのディススレイ什器も、和のテイストで、作品の世界観を引き立てています。

 

 

虹色工房 1chi-イチ-さん


 

若い人がこぎん刺しに親しむきっかけをつくりたいと、色とりどりの糸をつくられています。青森市のカシスを使って染めたこぎん糸にも注目です!障害のある方が作られた青森ヒバの針子台の取扱いなど、障害者雇用のブランドづくりにも力を入れています。

 

 

庄内刺し子 佐藤恵美さん


 

佐藤さんは庄内刺し子を教えつつ、山形県鶴岡市の羽黒山山頂にあるレストランの並びで「庄内さしこの店」を開いています。ちょうどこのフェス最終日の翌日から営業開始とのことでした。 ます刺し、こめ刺し、すぎ刺し、、見ていて飽きないほどたくさんの種類の細やかで上品な刺し子の作品は、そちらのお店でも購入することができます。

 

 

南部菱刺し連絡会さん


 

南部の菱刺しをもっと発信していこうと、今年の3月に発足した「南部菱刺し連絡会」です。三大刺し子の展示とともに、販売のブースでは、テーブルクロスや、名刺ケース、カバンなど、日常使いの小物が並びます。古典的な模様の組み合わせですが、繊細で上品な模様は生活の中で使いたくなるデザインばかりです。7月上旬には、山形の国際絞り会議でも作品を展示されます。

 

県内外からの多くのお客さんで賑わっていました。

 

伝統を引き継いでいく人、新しい色や模様を取り入れていく人、素材づくりからこだわる人…。

一人一人の方が自分のスタイルを持ち「私はこうやっていきたい」という強い思いで制作されている姿勢が、みなさんのお話をお伺いするなかでとても印象的でした。


それぞれにスタイルは違いますが、こぎん刺し、南部菱刺し、庄内刺し子という日本の刺し子文化を次の世代に繋いでいきたいという願いは、みなさん同じ想いを持っています。そんな日本の刺し子文化を支える人々の静かな熱意に出会うことのできた、こぎんフェスでした。

 

運営実行委員であるしまやの横島さんからは、「来年は『平成最後のこぎんフェス』と銘打ってやろう!!とスタッフ一同やる気満々です」とのコメントをいただきました。早速来年への準備も始まっているようです。

どんな盛り上がりを見せるのかまた楽しみです!

 

 

インタビュー:koginbank編集部 text:浅井/ photo:浅井






 


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