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こぎん刺しの現在が見えた!岩木山1625大作戦!

2019.09.18


4月にkoginbankでも案内させていただいた、「みんなでつくるこぎん刺しプロジェクト」は、津軽富士と呼ばれる名峰・岩木山の標高にちなんで、去る令和1年6月25日に、予想をはるかに上回る数のこぎん刺しが、遠くは沖縄や海外から、青森県内外から集まり、約1000枚を繋いで大きな岩木山タペストリーとなって公開されました。先月末には惜しまれつつ一般公開を終えましたが、滑り込みでkoginbankでも拝見することができました。

 

 

 

こちらが津軽の名峰岩木山です。標高は1,625m。伺ったこの日はとても気持ち良い眺めでした。募集したのは10センチ四方の小さなこぎん刺しでしたが、集まった作品は当初の予想枚数を大幅に超え、本物の岩木山と対峙する大きなこぎん刺し岩木山をつくることができました。この景色からくるっと振り返ると、約1000枚のこぎん刺しで作った岩木山が!

 

本物と比べて見ても、こぎん刺し岩木山は本当に良くできています。この景色をつくる素材が、こうも上手く集まるものでしょうか?どう考えたってすごい奇跡です。その上、集まった作品を見て岩木山をつくろうと閃くこともすごい!

 

 

岩木山1625大作戦では、岩木山にまつわる様々なイベントが弘前市内の至るところで開催されました。その一つとして、このこぎん刺し企画を担当したのは、弘前市地域おこし協力隊の佐々木直美さんです。そして、予想を上回る応募に急遽タペストリー制作に協力いただいたのは、koginbankにも度々登場いただいた佐藤陽子さんと、そらとぶこぎん編集部の石田舞子さんです。3人で約2週間、深夜に及ぶ作業で完成しました。幅約4.7m、高さ約2.2mの大作です。

 

企画を立ち上げた当初は、応募者に材料や送料を負担してもらうことを懸念する声があり、どれだけ作品が届くのか少し不安がありました。しかし、毎日届くこぎん刺しに、職員一同驚きの連続で、全国でこぎん刺しを楽しんでいる人がこんなにもいることを、今回改めて実感したようです。佐々木さんは、こぎん刺しと一緒に届くお手紙から、ひしひしと伝わるこぎんへの想いと、この企画への感謝の言葉までいただくとは思っていませんでした。

 

 

「負担をかけて応募してくれて、こちらがありがとうなのに、”こんな企画をつくってくれてありがとう”という手紙が届くなんて想像もしていなかった。」と佐々木さん。

 

お手紙の中には、遠くなってしまった故郷青森に馳せる想いや、こぎん刺しを知り、いつか行きたい青森へ憧れる想い、入院患者の有志を集めて届けてくださった看護士さんもいらっしゃいました。見たことのない岩木山を、わざわざ調べて応募してくれた人が、岩木山が「山」の字そのままのシルエットであることを知ってくれたことも、佐々木さんは嬉しかったそうです。

 

一つ一つ見てみると、岩木山のデザインが結構多かったですが、デザインが様々で、いろんな岩木山に感心しきりで見入っていました。

 

 

また、岩木山のデザインの中でも鳥居を配したものが、いくつもあるのが印象的でした。その中には、昨年、佐々木さんらが企画したこぎんツアーの参加者が、ツアーで訪ねた岩木山神社が印象的だったとメッセージを添えて応募してくださった作品もあります。神社は隅に置けないねということで、鳥居は全てセンターに配置されていました。

ちょうどこの募集が始まった頃は、佐藤陽子さんが発行した「津軽こぎん刺し図案集」や、ダルマ糸の横田株式会社がこぎんの糸や布を発売した頃だったので、それらを使った作品も目立ちました。こんなに沢山集まったのは、こぎん刺しへのやる気を後押ししてくれるこれらの要素があったおかげとも佐々木さんはおっしゃいます。タペストリー制作に協力された佐藤さんもご自身の本の図案をいろいろ見つけて喜んでいたそうです。

 

 

タペストリーの作成中は、1つ1つ作品の仕立て具合もすごく勉強になったそうです。表裏が判別できないくらい裏の始末が綺麗すぎて、危うく裏表の状態でタペストリーになりかけた作品もありました。糸コキが不十分でウエストがキュッと絞られたような作品はアイロンで慎重に伸ばしたり、それでも間に合わないほど縮んだ作品もあっていろんな試行錯誤があったそうです。小学生の初めてのこぎん刺しから、ベテランの技巧的な作品まで技術の度合いを知ることができたのは制作に携わった者の特権です。

 

 

6月25日の公開からは、たくさんの人がここに来てくださいました。応募者はもちろん、日替わりで家族や親戚を連れて何度も足を運んでくださる方もいました。ここに来て、こぎん刺しを教えてくれた亡き親戚を想い出し涙する人もいました。4〜5枚応募くださった人が、まさか小さい3人を子育て中のママだったことに会って驚いたこともありました。佐々木さん自身もいろんな想いを込めて立ち上げた企画でしたが、応募していただいた皆さんにもここに至るまでに様々な物語があるんだと、ここで出会った人たちを想い出し、感慨深く佐々木さんは話してくれました。

 

弘前のご当地アイドルりんご娘の作品もありました。

さて、一般公開を終えたこのタペストリー。これからどうするのか行く末が気になりますが、今後は要望に応じて全国の展示イベントに貸し出すことも考えているそうです。広げると大きいですが、畳むとどこへでも行けるので、全国のこぎんサークルなどの作品展のお仲間に加えてもらうのも良いかもしれません。

 

色使いや選ぶ図案にこぎんのトレンドが見て取れて、とても興味深く見入りました。なかなかこうして一度にたくさんの人のこぎん作品を見るは機会はありません。こぎん刺しの今が凝縮された貴重な1枚です。見ているといろんなことが勉強になります。それがもう見られないと思うと無性に惜しく、寂しさが湧いて来ます。もうちょっとじっくり見てくれば良かった、お話も聞きたかったなぁと、今更ながら後悔が沸々と湧いてきました。来年はぜひとも旅するこぎんとして、あちこちで活躍してくれることを願います。そうすると、またどこかで会えるかもしれませんね。

 

 

インタビュー:koginbank編集部 text/photo:石井

 

 

 







 


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