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抜きキャンバスを使ってこぎんを楽しむ

2024.08.23


こぎん刺しは、専用の粗目の布でしか作ることができないと思っていらっしゃいませんか?皆さんの身近にある布でもこぎん刺しは楽しむことができます。その時に模様づくりをサポートしてくれるのが、クロスステッチに使われる”抜きキャンバス”です。

こぎん刺しは布目に針を通して模様をつくります。図案の目数に忠実に針を通すことができれば、誰でも綺麗な模様を仕上げることができます。しかし身近にある普通の布では、数える布目が細かすぎて苦行です。そこで、粗い布目の抜きキャンバスを布に重ね、この布目を使ってこぎん模様を作っていくのです。

実際に使ってこぎん刺しをしてみた

上の動画では、抜きキャンバスを使ってコットンバッグにリンゴ模様を入れてみました。模様の刺し終わり後に、抜きキャンバスを1本ずつ抜くひと手間がチョット鬱陶しいかなと思っていたのですが、最後に一気に捲りあがる瞬間が何とも言えない爽快な気分でした。因みに、ここで使用した抜きキャンバスはシングルタイプです。

ダブルとシングルの抜きキャンバス

左:ダブルタイプ、右:シングルタイプ

抜きキャンバスにはダブルタイプとシングルタイプの2種類があります。シングルタイプはこぎんの布と同じ組織なので、こぎん刺しと変わらない感覚で使うことができます。実はここ数年、シングルタイプの抜きキャンバスは需要が少ないのか入手困難になりつつあり、ダブルタイプしか見かけなくなりました。ダブルタイプは細い糸を2本取りで平織した組織です。布目が細かくて数えづらい印象でしたが、実際に2種類を使い比べてみると、使い方によってどちらもおススメできそうです。

2つの抜きキャンバスを使ったときの断面の様子

シングルタイプの使用は抜きキャンバスを解いた前後で印象がまるで違ってくる可能性があります。キャンバスの小さなマス目でも、シングルはダブルより少し大きく、細い針が落ちる位置にばらつきができてしまいます。そのうえ、厚みのあるシングルの抜きキャンバスの場合、取り去った後の模様のステッチは布に対して浮いた状態になり、この浮きを抑えるひと手間が必要です。

ダブルキャンバスを使用したこぎん刺し

一方でダブルの場合は、キャンバスに厚みが無い分、布に良くなじみ異物感を感じずに快適に針を運べます。シングルのデメリットが解消されてキレイな模様の仕上がりになりました。しかし、細いキャンバスの布目は線が細くて見えづらく、キャンバスの薄さがむしろ指先や針先で布目を掴みづらいので、模様を作るための目数が拾いづらいのがネックです。ダブルタイプはこぎん刺しに慣れた人向きで、初めての人やこぎん刺しに近い体験にはシングルタイプがおススメと感じました。

個人的には、老眼の進む眼にダブルタイプの抜きキャンバスはとても読みにくいので、シングルタイプを針の通し方に注意しながら、仕上げのひと手間もいつもと違うこぎん刺しを楽しむ!と思い使うことが自分にとってベターだと感じました。

左:シングル使用、右:ダブル使用

2つの抜きキャンバスで刺し比べてみたところ、ダブルタイプの使用は比較的整ったリンゴになりましたが、シングルタイプ使用の方はステッチの上下間隔が一定でなかったり、水平なはずのステッチに角度がついてしまい、なかなかの個性的な仕上がりになりました。これもまた味わいです。

刺し糸は刺繍糸を!

最後に忘れてはいけないのが、抜きキャンバスを使って細かい布目の布に模様を刺すなら、こぎん糸よりも”刺繍糸”が最適!ということ。同じような太さでも、こぎん糸は断面が詰まって硬いので布を傷めやすいです。その点、刺繍糸はフカフカで弾力のある断面とツルツルした光沢の滑りの良さで布へのダメージを抑えることができます。針の動きも軽やかです。

左:こぎん糸、右:刺繍糸

夏休みも残りわずかとなりました。koginbankではモドコDBで沢山のこぎん刺しの模様を紹介しています。自由研究に悩んでいるお子様がいらっしゃいましたら、ぜひとも一緒にお気に入りの模様を見つけてトライしてみてはいかがでしょうか。

今回ご紹介した、制作は現在オンラインショップで販売中の【定期便】全6回 こぎん刺し/菱刺し体験キットの第2回目の課題になります。ものづくりを楽しみたい皆様に、いろんな素材でこぎん刺しや菱刺しを楽しんで行くことの足掛かりになれるかなと考え企画した商品です。もしよかったらこちらもご利用ください。

koginbank編集部 text・photo:石井






 


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