用語

モドコの構成
こぎん刺しは、刺し糸が経糸を何本跨いで模様を構成するか決めていきます。現在は一般に布目のグリッドを3目・5目・・・と目数で数えて模様の構成を説明しますが、こぎん刺し最盛期の頃までは経糸を筋(スジ)と呼び、「筋を上げる=刺し糸が裏に入る」、「筋渡す=刺し糸が表に出る」と目数を説明していました。モドコの中の基礎模様とも言える、カチャラズ・豆こ・糸柱などは糸が跨ぐ経糸の数で大きさの違いが出て、模様のバリエーションも増えていきます。koginbankではモドコのサイズバリエーションをこの「筋(スジ)」で説明します。
刺し方
こぎん刺しも菱刺しも布の経(タテ)糸と緯(ヨコ)糸の間から針を刺して糸を通していきます。基本的にひし形のモドコや型コは上下、左右で対象となる模様が多いため、中央横一列(一段)を最初に縫ってから上半分を最初に積み上げていき、その後に下の半分を上半分と同じ要領で進めていきます。一番最初に刺す1段目は目立てと呼び、この一段を基準にステッチを積み上げていくので、1段目の目数を間違えると全体の模様がずれてしまいます。大きな模様ほど注意が必要です。
段を移動し、折り返して縫う際は、折り返し点で糸を緩めに残しておきます。その段を縫い終えたら緩めに残した糸をこきながら段全体になじませ、ステッチのボリュームを均等に整えます。運針方式で針を進めた時は針を抜いた直後は糸が強く引っ張られ表面にステッチの綺麗なボリュームが出ないので、運針で刺す場合に有効です。
(参考文献)
『津軽こぎん』 横島直道 編著 (日本放送出版協会)
『改訂新版菱刺しの技法』 八田愛子・鈴木堯子著(美術出版社)