糸こき について
「糸扱(こ)き」とは、布を縫い合わせたあと,縫い目に沿って指先でしごき,布がつれないようにすることです。こぎん刺しは、模様を刺した布の仕上がりを整えるポイントになります。
運針の時、糸と布の摩擦で布がつれたりシワが寄ってしまいます。こぎん刺しの場合は、この時の布の起伏を均すように、布をしごくことを"糸こき"と言います。
こぎん布は布目(隙間)が大きいので、針を通したときの糸の摩擦によって布はつれやすいです。布に模様を施すと布巾が1~2cm縮むこともあります。縮むことによって、作品に仕立てるときのサイズが狂ってしまったり、布の表面に凹凸ができて仕上がりに響いてしまうことがあります。よりキレイに作品を仕上げるためには、針を通すたびに細目に糸こきを入れるか、布のツレやチジミを考慮した仕立て方を考える必要があります。
上は巾が焼く6㎝の布に模様を刺した木綿のこぎん布です。
適度に糸こきを入れたものの、布端が波打った状態で1㎝程度の縮みが出ました。
こぎん刺しの場合は模様をつくる1本の糸が横にわたる距離が長い分、この現象も強く現れます。また、布の一部に模様を小さく入れるときも、模様の周囲に縮みの影響で凹凸ができてしまいます。糸こきを細目に入れることで、この縮みや布のツレを抑えることができます。