koginbank

こぎん刺しの楽しい!かわいい!を発信 こぎんマガジン

菱刺し図案の配列計算を考えてみる

2021.09.23


菱刺し作家さんからお題をいただいたので、前回に引き続きモチーフの配列計算を考えてみました。

お題は、大きな菱形の一辺にどんな小さなモチーフがいくつ並ぶかを考える計算です。

菱刺しでは珍しいように思いますが、こぎん刺しでは小さなモチーフ(モドコ)を並べたり繋げたりした枠模様があります。その中でモチーフを並べた模様を合せ(併せ)模様と言います。この菱刺しバージョンを考えてみたのがこの計算になります。

 

こぎん刺しのモドコも菱刺しの型コも斜めにモチーフが並びますが、布目のグリットに倣いXY座標のように縦か横の要素に分解して考えるとわかり易いと思います。下の図では縦の要素で考えてみました。
モチーフの半分の長さ(B)で基準の一辺の長さ(A)を小数点が発生しない整数で割り切れたら、そのモチーフを並べることができます。

 

 

ちなみに、上の図では縦要素で考えましたが、縦か横かどちらで考えるのが良いでしょうか?大抵は針を動かす横方向に注目し、横要素の目数で考えてしまいそうです。

こぎん刺しの場合は模様の横の目数と縦の段数は同数なので、どちらでも同じように考えることができます。しかし菱刺しの場合は縦と横でサイズ変化が違うので計算方法も違ってきます。

 

 

また、計算で出てきた値から嵌るモチーフサイズを割り出す時、菱刺しは横要素の目数で計算すると、モチーフが成立しない値になることもあります。しかし縦の段数で考えると、2以上の値はどれでもモチーフが成立するので割り出しがスムーズです。さらに、こぎん刺しもとも共通する考え方なので、ここでは縦の段数で考えてみます。

 

半分サイズを考える

冒頭のモチーフが並ぶ条件(A÷B=整数)が整ったら、並べるモチーフの半分サイズを考えていきましょう。

 

こぎん刺しも菱刺しもモチーフの高さ(段数)は必ず奇数になります。高さを2分すると小数点が発生するので、繰り上げた整数を半分サイズとします。これは、一番幅の広い目立てを含めた高さを考えるということになります。

 

 

例えばモチーフの最小サイズは高さ3段です。
計算に必要な半分サイズは

 

3 ÷ 2 = 1.5・・・小数点繰り上げ・・・>2になります。

 

そして、並べる一辺の段数が2以上の整数でなおかつ偶数ならば、3段の最小モチーフを並べることができます。

 

下の図では、高さ16段の一辺にどんなモチーフが何個並ぶかのバリエーションを考えました。 最小モチーフの半分サイズは2なので、これ以上の整数で高さが割り切れる数字の組み合わせは3通りあります。

 

・半分サイズ2 が 8個
・半分サイズ4 が 4個
・半分サイズ8 が 2個

 

6目x3段の最小モチーフは8個並びます。

 

また、4個並ぶのは半分サイズ4になります。
この半分サイズ4のモチーフの全体高さは

 

4 x 2 − 1 = 7
(目立てのダブルカウントと奇数にするため”−1”が必要になります。)

 

菱刺しは14目x7段のモチーフになります。

 

 

冒頭の冒頭のモチーフが並ぶ条件(A÷B=整数)で重要なのは、(A)が整数で割り切れることです。ここから出てきた二つの数字の組み合わせのどちらかが並ぶ個数を、もう一方がモチーフの大きさを導きます。計算が苦手な人は、数字の組み合わせパターンを出すことがちょっと辛いかもしれませんね。計算表があると便利かもしれません。

 

菱刺しの型コのサイズから割り出す場合

菱刺し模様集では、型コ(モチーフ)がサイズで分類されていますが、この数字は枠も含むモチーフ全体のサイズではなく、枠中に収まる模様のサイズになっています。よって、模様集の型コを並べたい場合は、半分サイズから模様集のサイズを割り出す計算式が必要になります。

 

 

4目の枠内に4目控えて模様を入れるのが基本の枠になります。枠中の模様の高さは枠より8段小さくなります。半分サイズで考えると、4段減るので
(枠の半分サイズ)- 4 になります。

そして、型コが成り立つのは、2目x1段を枠で囲った18目x9段が最小サイズです。
この時の半分サイズ=5。菱刺し模様集で表される、枠中の模様サイズは[ 2x1 ]です。
先ほどのモチーフの高さの計算式に当てはめると、
模様集の高さ = 1 = ( 5 - 4 ) x 2 - 1 

 

上図の[ 38x19 ]サイズの型コでも確認しましょう。
枠の高さは 19 + 8 = 27。枠を含む半分サイズ:14 
模様集の高さ = 19 = ( 14 - 4 ) x 2 - 1 
模様集の段数と一致しました。

 

 

応用編を考えてみましょう。菱刺しでは、型コの枠をアシガイと呼びます。そして枠を二重に配置した二重アシガイなるものがあるります。

 

 

二重アシガイ場合、枠のサイズは模様より高さが14段増えます。半分で考えると7段増えています。
最小の[ 2x1 ]の二重アシガイ全体サイズは30目x15段です。この半分サイズ:8。
1 = ( 8 - 7 ) x 2 - 1 

 

[ 38x19 ]の場合、19 + 14 =33が枠の高さになります。
枠の半分サイズ:17
( 17 - 7 ) x 2 - 1 =19 模様の段数に一致しました。

 

どうでしょう。。?実際考えてみると、簡単なようで難しく、小中学生のころの図形問題を解いてた感覚とは違い、大人になって数字との関係が遠くなると、なかなか飲み込めないものですね。脳も年齢とともに凝り固まっていくのだなと侘しさ覚えました。
この高さを半分サイズで考える方法はこぎん刺しも同じく考えることができます。半分サイズから全体高さの値を導き出せると、それは目立てサイズになるので、モドコDBから使えるサイズを探すことができます。ぜひご利用ください!

koginbank編集部 :石井






 


トピックスの最新記事一覧



 

こぎん情報募集中!!

koginbankでは、こぎん刺しのイベント・教室・グッズ・モドコなどの情報を随時募集しています。
詳しくは、お問い合わせフォームにアクセスしてください。