山端さんの「 こぎん発表会 2022」に行ってきました!
山端家昌さん(kogin.net 主宰)が新百合ヶ丘産経学園にて毎月開催しているこぎん刺し講座の発表会「 こぎん発表会 2022」に行ってきました。副編集長の鳥居が感想を交えて簡単に発表会をレポートをします。
発表会会場を入ると、目の前にこぎん刺しで飾り付けがされたツリーを中心に、フレームに入ったこぎん刺しがびっしりと並んでいる展示から入る。ここは、新規6ヶ月コースの生徒さんの作品発表のコーナーで、伝統模様を中心とした作品が多く基礎から体験できるカリキュラムになっていると感じました。
このコーナーで特に面白いなと思ったのは、伝統模様を使いつつもカラフルな色使いだったことでした。自由なカラーリングで生徒さんにこぎん刺しをさせるってのは個人的にはとっても楽しくていいなと思いました。
さらに進んで、継続ステップアップコースのブースに行くと、大きめの作品が増えていった。こぎん刺しは小さい面でも楽しいですが、大きくなると迫力も出てきて表現の幅が広がってくるので、より魅力的な作品が多くなってきました。
特に面白いと思ったのは、もはやコングレスに刺すのではなく、樹脂製のメッシュに刺した作品。太い糸を使い、糸で影が落ちそうな凹凸のある作品でスケールアウトしたところが面白く感じました。
こんなに太い糸でびっくりです。
その先の「こぎんデザイン」講座の生徒さんたちのブースに来ると、横方向で刺すというこぎん刺しの技法を用いたオリジナルデザインの作品が展示されていました。
お題はひな祭りでしょうか。いろいろな色のお雛様とお内裏様が仲良く並んでいるパネルが並んでいました。
ここまではこの一年間の教室の発表会で、次に教室の生徒さんの作品が購入できるブースを見てみます。山端さんの教室では、自分で作った作品を販売するところまでレクチャーし、こぎん刺し業界自体を盛り上げていく取り組みをしています。とっても素敵な取り組みですね。
yuka*worksさん(instagram)の作品
キノコファクトリー/キクチナホさん(instagram)のキノコをモチーフとしたこぎん刺しの作品
nini_inblueforestさん(instagram)の家をモチーフにしたこぎん作品。おうちがいっぱいでした。
石田さんの古作こぎんの図案を用いたバッグ。こぎんかるたなども作っていて楽しい感じでした。
ねこネコKOGINさん(instagram)の作品。ブランド名のとおり、ネコをモチーフとした作品であふれていました。
zizi no ieさん(公式サイト)の作品。「やる気ねーずみ」がかわいかった。
玄道々さん(instagram)の「モドコのもと」の展示。高橋一智氏の新聞連載「みちのくの造形刺しこぎん編」から単位模様の形成法と展開法の系統図のパネル紹介。
糸結 itoyuiさん(instagram)のこぎん刺しキットを中心とした作品
pecoraさん(instagram)の作品。こぎん刺しを着たDeeちゃん(instagram)が独特でいい感じ。
講座の課題作品の発表から、セルフプロモーションでブランディングに取り組んでいる生徒さんの作品販売、こぎん刺しの図案研究まで幅広く充実した展示で、雨の中の開催でしたが、とても楽しかった展覧会でした。
様々な素材やカラーリングを使った幅広い表現を試みていることと、横方向に刺すというこぎん刺しの基本を新しいデザインで試みることで、江戸時代に誕生したこぎん刺しを未来に向けて進化させていくプロジェクトとして、山端さんが重視されている活動であることを実感することができました。
この発表会の最大の特徴は、生徒さんが自分のブランドを、コンセプトをつくって育成し、商売にしていこうとすることだと感じました。もちろん作るのを楽しむこともエンターティンメントとしていいのですが、作品を販売して多くの方を楽しませることも、こぎん刺しの未来には不可欠なことだと感じていて、それを実践するためのキッカケとなる舞台を用意されていることが素晴らしいことだと思いました。これからもこのようなイベントを開催されることを楽しみにしています!
会場の様子
#こぎん発表会